小児歯科
お子さまの口腔内の環境と状態は大人とは異なり、次のように大きく3つのステージに分けられます。
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乳歯が萌えそろうまでの時期
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乳歯と永久歯が混在する時期
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永久歯が萌えそろう時期
当院では
乳歯の時期から、永久歯が虫歯になりにくい口腔内環境を整えるお手伝いをします。
そして、定期的な予防処置(クリーニング、シーラント、フッ素塗布)がとても大切であると考えております。
□ 乳歯と幼若永久歯は、定期的にフッ素を塗布することが有効です。
□ 永久歯は、萌出直後(幼若永久歯)がもっとも効果的です。
虫歯予防
1.フッ素を効果的に使う
フッ素には、エナメル質に酸につよい結晶を作るとともに再石灰化を促進する効果があります。
ミュータンス菌等の働きを抑制する効果もあります。
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フッ素入り歯磨き粉で5分以上磨く。
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歯磨きの後のすすぎは1〜2回、軽く行う。
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歯磨きが上手に出来ない人は、フッ素入り洗口剤を利用する。
2.よく噛む
唾液には酸性の口の中を中和する働きがあります。
またカルシウムとリン酸が含まれているため、歯の再石灰化を促進する働きがあります。
そのため食事の際は噛む回数を増やして唾液が多く出るようにすると良いでしょう。
3.食事の間隔に注意する
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食事と食事の間に、頻繁に間食やスナック菓子を食べてしまうと口の中が酸性になっている時間が長くなります。 そのため再石灰化が追いつかず、次第にムシ歯が進行してしまいます。
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再石灰化が進むように、食事の間隔は3時間以上あけて、間食や糖分の含まれた飲み物は避けるのが良いでしょう。
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もし間食をしてしまった場合には歯磨きをするのが最良ですが、出来ない場合はキシリトール入りのガムを噛むと良いでしょう。キシリトールはミュータンス菌の働きを抑制し酸を作り出さないので、ガムを噛むことで唾液の分泌量を増やし、口の中を中性に戻すことができます。
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また緑茶も良いでしょう。緑茶にはフッ素やカテキンが含まれ、カテキンには殺菌作用があり、ムシ歯の原因菌の繁殖を抑制する効果があります。
4.寝る前に必ず歯磨きをする
睡眠中は唾液の分泌量が減少するため、中和作用が働かず、脱灰が進んでしまうからです。
5.定期的に歯科医に通う
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ミュータンス菌などのムシ歯の原因菌は、プラークを形成しやがて歯石を形成します。長期間放置すると固くなり、通常の歯磨きでは除去できなくなるためです。
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1年に数回歯科医院に通い、歯科衛生士による歯のクリーニングを行うのが良いでしょう。
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歯が痛くなってから通うのではなく、予防するために歯科医院に定期的に通うことが大切です。
これからは予防のために歯科医を上手く利用し、家族全員でムシ歯を防ぐという意識が重要です!
NEWS
最近、雑誌やTVなどで「食後の歯磨き」について報道されており、とりわけ『食後30分は磨かない』『食後30分過ぎてから磨く方が良い』というような内容が多く見受けられます。
しかし日本小児歯科学会から『食後すぐに歯を磨く習慣』で問題がないとの見解が発表されました。
当院のコメント
健康な歯や歯肉の場合は、バイオフィルム(デンタル・プラーク)が形成されても、すぐに虫歯や炎症が起こる訳ではありません。24時間以内にきれいに除去出来れば虫歯にも歯周病にもなりません。
しかし、人によっては必ず磨き残しがありますので、その付近の歯や歯肉に悪影響が出てきます。
まして、一旦虫歯になっていたり、歯周炎になってしまうと、絶えずバイオフィルムを除去しなければ、症状は進行・悪化してしまいます。