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口呼吸

ほとんどの人が、「私は鼻で呼吸している」と思っているのではないでしょうか。

ところが、無意識のうちに口呼吸をしてしているという人がかなり多く、半数以上が口呼吸をし小学生以下に至っては、8割が口呼吸をしている状況だということです。


そしてその口呼吸がさまざまな病気の原因や健全な成長の妨げになっています。

人は本来、鼻で呼吸します。新生児は鼻でしか呼吸しません。
母乳やミルクを飲んでいる間は、口が使えないこともあり、鼻呼吸なのです。
口呼吸が始まるのは生後しばらく経ってからです。

ところが、喋り始める時に、言葉と一緒に口で呼吸することを覚えてしまいます。
さらにこの頃は離乳の時期を迎え、おっぱいやおしゃぶりから離れた口は空気を吸うようになります。
実はこの離乳の時期が重要と言われています。

日本では、離乳の時期は1歳前後が常識ですが、おしゃぶりや授乳を1年でやめてしまうと、鼻呼吸が定着する前に口呼吸を覚えてしまいます。
おしゃぶりを口に入れていれば鼻呼吸が定着し、4歳ぐらいまで鼻呼吸を続けていれば、それが習慣化します。


なんと欧米では、口呼吸の弊害が早くから指摘されており、欧米の家庭では3・4歳まで子どもにおしゃぶりをくわえさせることが常識とされ、殆どの人が鼻呼吸をしているということです。

鼻呼吸のはたらき

鼻で呼吸すると、取込まれた空気は曲がりくねった鼻気道を通り、

ウィルス・カビ・細菌・異物の除去をします。(空気に含まれる病原菌の50~80%は鼻粘膜に吸着・処理される。)

  1. 吸い込んだ空気が冷たくて乾燥していても暖められ加湿されます。

  2. 吐く息も鼻腔を通ることで、鼻腔を乾燥させ、病原菌の繁殖を抑えられます。



口呼吸の弊害

一方、口で呼吸をすると、

  1. 外気がそのままの状態で体内に取込まれることから、口腔内・のどが乾燥し、細菌などが直接侵入するため粘膜に炎症が起きやすくなります。

  2. また、風邪をひきやすく、口臭・歯周病・虫歯にもなりやすくなります。

  3. 味覚細胞にも影響を与え、味がしなくなることもあると言われます。

  4. 鼻呼吸なら気道を確保できますが、口呼吸の場合は口が開いているため、口の周りの筋肉が緩み舌が気道を塞いでしまい、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなります。

  5. 高齢者では口腔内の細菌が肺に入り肺炎を起こすことが多くなります。

  6. そして最も注目することは「免疫力の低下」です。

 

関わる病気は、リウマチ、喘息、花粉症、アトピー性皮膚炎、腎炎などです。

口呼吸の矯正法

  1. おしゃぶりの活用:赤ちゃんだけでなく大人も!
    家の中ではみんなおしゃぶりを口にするという一見冗談のような方法が非常に効果的。

  2. 1日3回、合計1時間ほど、唇を閉じてガムを噛む。(ガムはキシリトールガムが良いでしょう)

  3. 食事時の作法:姿勢を正して、口を閉じ一口30〜50回噛んで食べる習慣を付ける。

  4. 医療用テープを口に貼る(ゆるめに貼り、くしゃみをした時にはむしろ外れる位)。

このような方法で矯正をすると、2週間から4週間で様々な効果が現れるということです。
矯正前と比べると、握力・背筋力などの体力や計算等の集中力が高まるというデータも報告されています。
鼻呼吸になったことで肺に十分な空気が補給され、体に必要な酸素が十分吸収された結果といわれています。
 

資料:西原研究所所長 西原克成氏
http://www.nishihara-world.jp

 

 

 

チェックシート

口呼吸の有無のチェックシートです。
お時間があれば、ぜひ自分でチェックしてみてください。

腹式呼吸のすすめ

歯槽骨・歯根膜・歯の神経(歯髄)へは血液で栄養や酸素が供給されています。
歯の周りの血管は細いので、血液供給は少なくなりがちです。

少しずつ血流を増やしていくのにもっとも手軽で歯ぐきに効果的なのが、空気を吐き尽くす腹式呼吸です。


肺の空気を出し切る気持ちで可能な限り吐き出します。
鞄を持ち上げるとき、靴の紐を結ぶとき、座ったときなど日に十回から数十回試みるといいです。

丹田呼吸法

「赤ちゃん」をよく観察すると、息をするとき「おなか」が上下します。これが「腹式呼吸」と呼ばれるもので、本来の呼吸法です。赤ちゃんは「自然のリズム」に添って腹式呼吸をやっているのです。

健康回復に大きな効果がある「腹式呼吸法」は、単に深く呼吸するだけではなく、丹田(たんでん)を意識しながら行なう「丹田呼吸法」です。丹田は「おへそ」のすぐ下に位置し、丹田は生命エネルギーをつかさどる場所と言われています。

また、丹田呼吸法は横隔膜の上下運動を最大限行わせるものですが、この場所に走っている副交感神経が刺激され、その結果、興奮が押さえられたり体全体(特に内臓と内分泌系全般)のバランスを調和させることにもなります。

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